【エッセイ】親知らずを抜いた話 左下右上右下

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左上の親知らずを抜いてから数か月、忘れていた痛みがぶり返した。ずっとではないけれど、ときどき思い出したようにキリキリ痛む。ごはんを食べるのが楽しくなくなるしそうなると気分も落ち込むし手術は怖いけどほかの三本も抜くことを決意した。

上の親知らずは顔を出しているので処置は簡単だけど、下の親知らずは埋まっていたから大きな病院で手術をして抜歯することになった。

ドキドキしながら過ごした約2日間を書き残しておきたい。

 

2022年1月某日

6:00

とにかく早起きをした。久しぶりの早起きで苦しかった。それでも頑張って起きたのはこの時間までに朝ごはん(必須)を食べないと行けなかったから。病院の中ではスマホがつかえないだろうからゲームのログインボーナスをこなしていった。

10:00

ただでさえ風が冷たい日だったのに、病院という空間はもっとひんやりしていた。受付を済ませて病棟へ向かう。病院のエレベーターは10年ぶりくらいで、その間口の広さ(車いすが通りやすいから?)と奥行き(掃除用具とかも運ぶから?)に驚く。

13:00

いよいよ手術スタート。緊張してずっとドキドキしていた。水色の手術服を着てみて、洗面所の鏡に映る自分が不格好で、変で、ちょっとほっとした。病棟でひとり、待っている間に救急車のサイレンの音が聞こえてきた。この場所にいると他人事じゃない気がしてドキリとする。

16:00

手術が無事終わり、病室に帰ってきた。部分麻酔だから意識はあるけれど、麻酔がよく効いていたのか、ずっとふわふわしていたなあ。まるで「手術を受けている夢」をみているみたいな感じ。とはいえ緊張していて手が冷たく、看護師さん(?)に心配されてしまった。

19:00

痛み止めを打ってもらったものの鈍痛に顔がゆがむし、口内はつねに血の味がする。夕食は90%水のおかゆが無理だった。おかゆとして認めたくもない。あれは水です。副菜がおいしすぎてありがたい気持ちでいっぱいになった。

21:00

消灯。点滴が終わると血液が管をとおって真っ赤になるのでびびる。やばいのかと思ってナースコールした。「血圧があるので~」と言われて、なるほどと思うと同時に自分正常に頭回ってないなと気づく。さすがに寝るのにははやすぎてがんばって羊を数えた。

23:30 2:30 4:30

同室の方のナースコールで目が覚める。ショートスリーパーじゃないのでしんどい。相部屋ってこういう感じなのねと実感。そりゃあ個室が高めに設定されるわけですわと納得した。私は一日だけだしがまんがまん。でも気になってしまう…。

6:00

起床からの朝ごはん。食べるとだんだん元気になってきた気がする。三本も抜いたわりには腫れも少なくて良かった。昨日の夜は90%水だったおかゆも、今朝は70%水でおかゆとしての形を保っていた。みかんとヨーグルト最高だなあ。

9:00

退院。やったね。入院費を後回しにされたのはよくわからないけれど(抜糸があるから?用意していったのに…)すっぴんで外に出るのが久しぶりだったから、マスクしていてよかったなと思う。完全に人目にさらされない。

 

数日後

抜糸へGO。自分の口の中だからだろうけど、糸を切ったバチン!!!の音が大きくておびえた。でもこれで万事オーケー。抜糸までの数日は基本雑炊生活で過ごした。卵増水のおいしさたるや…。そしてそこに鮭ほぐしを入れる喜び…。絶賛雑炊ウィークを過ごしてしたにもかかわらず、バイト先の社員さんのお土産ゴーフルを、私欲だけでバリバリ食べてしまったのはちょっと痛かった。

 

親知らずは虫歯になってしまったりほかの歯を押して痛みが出てしまったりするなどの悪影響が出ないかぎり抜く必要のない歯。健康のまま保てる人はすごい。でもなんか痛いかも…?と感じた人は無理せず近くの歯医者さんに行ってみることをおすすめします。健康な歯と楽しい食事、続けていきたいなあ。