藤原さくら 週刊空港Terminal2 10/17@渋谷WWWX

同じフロアのおじさまたちを横目に18:05にタイムカードを押す社会人2年目のわたし。別に白い目で見られることもない。弊社9月度残業クイーンの座を争っていたわたしがこんなに早く退勤しようとしていることに驚かれただけである。

 

小走りで駅に向かい電車に乗る。目的地は渋谷。駅からの最短ルートとにらめっこしながら向かったWWWX。(だぶだぶと読むし、そのエックスらしいことを今回知った)半蔵門線を一回乗り間違えてスカイツリーに行きそうになったこと、わからなすぎて一旦PARCOを通り過ぎたことは恥ずかしすぎるので内緒にしておきたい。

 

くるくると目の回りそうな階段をのぼっていざ入場。そもそもスタンディングもはじめてだし、ライブハウスもはじめてだ。開園の5分前に滑り込んだのでほぼほぼ入り口の手前。同世代の男女、邦楽好きの年配の人、グッズをしっかり着ているファン。みんなが飲み物片手に今か今かとはじまるのを待っていた。

 

ここからセトリネタバレがあります。(歌った曲の話はするけど順番は書いてない)

 

今回のバンドメンバーに続いて、さくらちゃんが登場。ちいさくてかわいい。人と人の合間から見る感じだけど、思ったより見やすいな。高身長の自分、ありがとうな。

 

週刊空港ということで最新アルバム「AIRPORT」を聴き込んできたわたし。お!と思える瞬間ばかりですごく楽しめた。空港のアナウンスからはじまっていくの素敵だな。すきな音楽に乗れる時間をもっと大切にしなきゃな~と思える充実感。

 

ラジオで楽しそうにおしゃべりしていた仲間たちの解像度があがるあがるあがる。ほんとうに存在していたんですね。MCでも説明がありましたが、「まばたき」をレコーディングメンバーの生演奏で聴けたのは贅沢な時間だった。

 

私は「君は天然色」がすごいすきで、これを歌ってくれたのが嬉しかった。だって「想い出はモノクローム 色を点けてくれ」ですよ。今見ている光景は過去になって消えていくけれど、この歌を聴くたびに、今日抱きしめたわたしの嬉しさを思い出せる気がする。そんなお守りみたいな歌なのです。

 

1曲1曲歌い終わるたびに「ありがと」と言ってさくらちゃんがちょっと照れていたのがかわいかった。ギターを弾いたり椅子に座ったりこっちを向いてくれたり。さくらちゃん自身がこの空間と音楽を楽しんでいるからわたしも安心して乗れた気がする。ラジオでぽや~っと喋っているのがそのまま発揮されていたな。

 

はじめて行ったワンマンライブで彼女の名刺たる一曲を聴けるだなんて思わなかった。この曲だけは毎回披露しているのかなと思ったけど(デビュー曲的な?)Terminal1のセトリにはなかったのでわたしが運がいいだけだ。黄色い照明、解釈一致。なぜなのかはわからないけれど分け合うのはコーンスープのイメージなのだ。

 

さくらちゃんのことを「再認識」したのはファイトソングというドラマ。演じた凜ちゃんという女の子は、別にすきな相手がいる幼馴染がすきというせつない役どころなのだが、いじわるもせず周りを見てすきなあいつのために一肌脱げるかっこいいひとだった。それから気になって曲を聴くようになった。

 

女子高生が天才音楽プロデューサーに見初められて……の流れで彗星の如くあらわれた女の子ではあるのだけど(月9)、音楽がすきで、ポールがすきで、聞いたことない楽器の話で盛り上がって、毎週楽しそうにしゃべって歌ってギターを鳴らす、魅力的なひとになっていたことを今知れてよかったなと思う。楽しかった~

 

十月の渋谷はすこし冷たい風が吹いていたけれど、わたしは確かな音楽への熱をもらった。ひかえめだけど消えない高密度。また聴きに行きたいな。