有吉の壁カベデミー賞THE MOVIE/感想※ネタばれ有
有吉の壁はだいたい毎週水曜19時から日本テレビで放送されているバラエティ番組だ。
多くの若手芸人たちが有吉さんから〇をもらう(=壁を越える)ために奮闘する。
基本は朝早くからどこかを借り切って収録+スタジオでのブレイク芸人だけど、たびたびやる人気企画として「カベデミー賞」がある。
言わずもがなアカデミー賞を(リスペクトを込めて)丸パクリしているこの企画は、受賞したインタビューという名の無茶ぶりを受けるもので、友近さん以外は大やけどする。頭が真っ白になりながらなんとか絞り出す芸人さんたちの焦燥と意地が見られて私はすきだ。
架空の授賞式、インタビューだったはずのカベデミー賞が映画になる。
バカみたいで夢みたいな企画が今の時代によく通るもんだと驚いた。
配信でみたカベデミー賞は、舞台挨拶でトム・ブラウンみちおさんも言っていたけれど、なかなかおもしろく、粒ぞろいな映画だったので感想を残しておきたい。
※ネタばれあります!注意!!
ドライブ・アイ・サー 主演:トム・ブラウン
ホラを吹くことで現状を打破した主人公が、そんな自分を信じ切れるかがテーマ。
主人公の幼少期をタイムマシーン3号関さんが演じているのだけど、子役たちとのバランスがちぐはぐでおもしろい。卓球界のレジェンド水谷選手の使い方もずるいし、チョコレートプラネット長田さんとの卓球シーンは躍動感がすごい。わかっているけどトンカチで頭を叩くのは痛そうで笑ってしまう。試合会場にいて気の抜けたやり取りしかしないKOUGU維新メンバーもおもしろい。一般人が周りにいるとメイクがよく映える。
トム・ブラウンは「なんでこんなの思いつくんだ!?」という狂気的な発想が売りだと私は思っているのだけど、そのらしさが親に反発して親知らずを抜く主人公と主人公に負かされたライバルがピンポン玉を噛み砕いて真っ赤になった口元で表現されているのかなと感じたな。
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万引き裸族 主演:空気階段
鈴木もぐらさんが演じる、裸族で万引きで生計を立てている男の姿を追うムービー。スーパーに入る前に全部服を脱いで堂々と入店していくのは映画とはいえびっくりした。それを見て見ないふりをする一般住民の姿がリアルすぎたし、誰かが通報しているだろうや自分は絶対に関わりたくないという声もわかる。それはそうとして一瞬シソンヌ長谷川さんが出てることに気づかなかったよ。
裸でいることは何にも縛られない。だからこそ自由なのかと問われるとそれは違う気もして。裸族たちの世界では裸でいること、その姿で万引きすることを強制されている。裸と万引き。世間的にみればどちらも罪だ。しかし万引き裸族たちは罪を重ねることでその罪の意識や重大性から目をそらしている感覚がある。
パチンコ屋でスーパー感じ悪かった三四郎相田さんが、すきになった人の旦那なのきついぜ……。なんで共感してるんだ私、相手は服も着てないんだぞ!!??
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秋定麗子物語 主演:友近
女優秋定麗子の生涯を描いた作品。歌を愛してダンスを愛して映画を愛して人生を愛した麗子さんと彼女に魅せられた人たちの姿がありありとみえる。特に麗子さんのマネージャー役を務めたかもめんたるう大さんがめちゃめちゃよかった。
スポットライトを浴びて輝く麗子さんをみるとどうしても芸能界で生きていくしかない他人を惹きつけて離さない人はいるんだなあ、と。鏡に映るダンスシーンだったり、暗闇のステージに圧倒的な存在感であらわれる姿とか画にこだわっていた感じもした。
結局私たちがみた秋定麗子の人生のどこまでが真実なのかわからないけれど、そのミステリアスさが麗子さんの魅力だよな。シャンディガフ飲むしかないよ。
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マッパ MAPPA 主演:パンサー
妖精マッパとの出会いが一人の少年を前向きにする。裸かぶりだからどうなることかと心配していたけれど、こちらは心あたたまる感動系。変な絵を描いているといじめられていた少年にMAPPAは、”君には君にしか見えないものが見えている、それを大切にしろ(ニュアンス)”と伝える。こんなの嬉しいよなあ。自分にしか見えないけど、ちゃんと自分のこと見ていてくれるんだもの。
ただ炒めた白飯を食べてまるでステーキのお供に白飯を食べているように思い描くのは違うと思う。可能なら牛丼とかかつ丼にしてあげてほしい。想像力があって素敵だね~じゃないぞ。
少年に笑ってほしくてギャグを乱発するMAPPAは、ノープランでなんとか有吉さんに引っ掛かろうとするいつものパンサー尾形さんの姿と重なる。
以上4作品でした!
映画としてのハードルが低いということもあいまって(?)なかなか楽しんでみることができました。2か月でできることじゃないよ!!!!!!
見逃し配信のチケットは7/3(日)23:59まで買えるみたいです。
私はクスクス笑いながらもう一回見返そうかな。ぜひ!