2021-01-01から1年間の記事一覧

【読書感想文】あこがれを抱きしめて

いま、私が憧れているもの。 キラキラのネイル すれ違ったときにどきっとする香水 縁側でお茶を飲む老後 泡であふれたお風呂 私だけの本屋さん そして、赤のモレスキン 子どもの頃から「憧れ」がいっぱいある人生だった。 将来の夢も、なりたいひとも、やり…

【読書感想文】だれのこころを

久しぶりに夏目漱石の『こころ』を読み返した。 であいは5年前の夏。 高校2年生の7月、現代文の先生が言った。 「2学期は『こころ』をやるので、夏休みに読んでおいてください」 「教科書ではなく全文を」 先生がわざわざ珍しいことを言うもんだなと思い、本…

他人の生活を覗くっておもしろい

なんだか変態みたいなタイトルになりました。 きちんとここで断っておきますが、一般人の家を覗き見したりなんてしません。 私もされたらいやなので。 私のいう「他人の生活」とは、YouTubeに投稿されている、 私ではない「誰か」の、暮らしをおさめた動画の…

【読書感想文】うどんみたいにつるりと読んだ

おなじコンビニで18年間アルバイトを続ける。 これは異常なことなのか。普通に考えたら異常だと思うかもしれないけれど、私たちのいう普通に考えたらの「普通」は果たして本当に普通なのか。 そんなことを考えながら読んでいたら、いつのまにか最後まで読み…

【観劇】ロロ「四角い2つのさみしい窓」

一度中止になった公演が戻ってきた。こんなに嬉しいことはない。 再会は二度目の一期一会。 この台詞が印象的だった。 失われた家族に再会した。 やっとの思いで会いたかった人たちに会えたというのに このまま一緒にいるという選択を取らなかったことに驚い…

【エッセイ】親知らずを抜いた話 左上

私が初めて親知らずを抜いたのは大学3年の11月だった。 以前から左の奥歯らへんに痛みを感じる瞬間があった。食べ物を嚙むとぴりっとした痛み。ずっとあるわけじゃないけれどときどきくるいや~な感じ。 もしかしたら虫歯かもしれないな…でも歯医者さん行き…

【読書感想文】少年を衝き動かした言葉

「そうかそうか、おまえはそういうやつだったんだな」 これが、私の覚えている『少年の日の思い出』だった。 隣の家のエーミールが珍しい蝶を捕まえた。 「ぼく」はとても羨ましくて こっそりエーミールの蝶を盗み、壊してさえしまう。 そのことを打ち明けた…

【エッセイ】絵本の「二冊目」を買う理由

私はこの日もアルバイトをしていた。 贈り物に選んでいただけることが多い書店。 冬の凍てつくような寒さに合わせて しっとりとしたBGMが流れるようになってきたこの頃。 注文商品が届いたというおばあさんが私のレジにやってきた。 名前とタイトルを聞いて…

【読書感想文】こんばんは、カレーライス

私と重松清作品の出会いは、 小学校の国語の教科書に載っていた「カレーライス」だ。 どうやら六年生で習うみたい。 私は今年二十二歳になるので ちょうどはじめての出会いから十年が経つのだなあ。 大学生になった私は図書館で懐かしいタイトルに再会する。…

【エッセイ】会いたくて会いたくて震えるってすごい

私がはじめて買ったCDは 西野カナの「会いたくて会いたくて」。 あれは、今ほど音楽が気軽に聴けるような頃じゃなくて CDを買ってプレイヤーに入れて、再生ボタンを押す、そんな頃。 今考えればびっくりするくらいの手間だけど ここまでして聞けるのが音楽だ…

【観劇】下鴨車窓「散乱マリン」

先日、下鴨車窓さんの「散乱マリン」を観劇した。 芝生と壊れて積み重なった自転車があるだけの舞台なのに 海の底にいるような感じがした。 知らない人にこのことだけを伝えてもなにもわかってはもらえないだろうけど ひとすじの青色のライトは、空の青じゃ…

【読書感想文】三分を待って

カップラーメンを待つ三分はながい。 寒空の下で待つ電車は永遠に来ない気がする。 公衆電話は使ったことがないし、ウルトラマンはみたこともない。 私がこの作品で気に入ったのは次の部分だ。 「この三分は長いね」 一口に三分といっても、カップラーメンを…

【お題】10の質問に答えてみた

はてなブログ10周年特別お題「はてなブロガーに10の質問」 ブログ名もしくはハンドルネームの由来は? ブログ名:三行日記 そんなたいそうなものは書けないけれど、まず三行という気持ちから。 ハンドルネーム:plum_eye_eye 本名に「うめ」の字が入るのでpl…

【観劇】下鴨車窓「透明な山羊」

先日、下鴨車窓さんの「透明な山羊」を観劇した。 私が観たのは津あけぼの座での公演。 ざっくりと内容を説明する。 一人の小説家が亡くなった。仕事場にしていた山奥の小屋でぽっくり逝った。 彼の遺品である大量のカセットテープを整理するために 息子は初…

【エッセイ】春の訪れはいづこ

今年の春、私はすきなアイドルのコンサートに行く予定だった。 念をこめながらチケットを応募して、5月の北海道公演の席が用意された。飛行機とか泊まるホテルの手配とかがまったく分からなくて、大あわてしていたら、一緒にいくフレンドがすごいはやさで何…

【読書感想文】銀河を走る列車

2020年11月末、秋といえば読書ということで宮沢賢治『銀河鉄道の夜』を読みました。とりとめのない感想文です。